山城多賀駅周辺
（イメージ，photo by Yamamoto）
極秘
人工進化研究所設立準備会
京都会合報告書
「なぜ静岡はこんなに広いんだ？」
東海道線の各駅停車に乗って西に向かうときにいつも思うことである．
それは一通のメールから始まった．
朝，メールを確認すると見知らぬ方からのメールが届いていた．その時はてっきり「何チャらプログラム」とか「新作ソフトの情報」とか，その手のメールだとばかり思っていたのだが（感想のメールなど，恐れ多くて考えられない），実は違ってオフ会へのお誘いのメールであった．をを，これは行かねばなるまい！！と，燃え上がったものの．．．．
「今回は京都でやるよ」
へ，京都ですか？
とーいな．でもこの機会を逃すのはもったいない．しかし．．そう，よく知られていることなのだが（本当か？）一時はやったマーフィーの法則の亜流にこんなのがある．
移動距離は掛ける時間と金に比例する．
言い替えると「長距離移動するなら金をかけろ！さもなくば帰れ！！」．．．じゃなくて，「時間をかけろ！！」ということになる．しかし，おおよその場合において学生は貧乏である．私も例外ではない．となれば時間をかけるしかない．うーむ．．．
考えるまでもない．はじめから結論は出ている．
「18きっぷだな」
そして冒頭の言葉になるわけである．
しかし，そろそろ「大垣夜行」はきついお年頃．ここは共犯者を増やすことにより負担の軽減を狙おう．ということで，小説を書いている橋本に連絡を入れ，二人で参加することにする．彼は今，名古屋付近に住んでいるので，そこに泊めてもらえばそれほど苦労しなくて済むという計算である．完璧だ．しかし，それが甘かった，いや，だからこそ生じる問題があるということに気づいたのは後のことである．
ということで，出発は8月29日，午前10時半頃であった．途中の各駅停車の旅ではしっかり週明けのゼミに向けての準備をやっていた．ちなみに，車窓から見える風景，特に由比近辺（知らない人は地図帳を見るように）から見える駿河湾はなかなかおすすめです．運が良ければ，海側に目標甲によって撃破された初号機が，山側の茶畑のなかに目標乙によって撃破された弐号機が拝めるかも知れませんね．
そんなこんなで名古屋に到着したのは16時半ぐらいだった．橋本と合流し，軽くお茶をして近況報告等をした後，軽く名古屋駅前見物，それから彼の自宅に向かった．
食事をいただいた後（御馳走様でした），彼の部屋で当然，飲みである．肴は当然，Evaである（喰うわけではない）．この辺がまず翌朝の間違いの始まりである．綾波原理主義者の彼と庵野いらない論者の私との間にどんな会話が成り立っているのかは，想像にお任せするしかないが，話が弾んで，酒が回っていることだけは事実である．途中メールを確認すると，みなさまなかなか大変そうであった．そんな状態で，
「酔っぱらってまーす！！，とかってメール出そうか」
「いや，それはかなりやばいぞ」
などと，愚にもつかない会話が交わされ，就寝したのはおおよそ２時前か．翌日の起床予定は６時．うーん，起きられるのだろうか．．．．
よくあさ，８月30日（この辺は，本筋とは関係ないので読み飛ばしても可です）．
予定通り，６時に起床．人間，こういう大切なときにはちゃんと起きるようである．しかし，当然私は宿酔いである．うーん，自業自得だ．なおかつ，かなり「やばい状態」である．俺って，人間の屑．．とにもかくにも出発，バス停まで移動する．ところが，のたのたと歩いていると，なんと，バスが来ているではないか！！ダーシュッ！！しかし，バスは行ってしまった．
大丈夫か？ん，時間的には次のバスでも予定の電車に間に合う．大丈夫でないのは私の状態である．
バス，地下鉄と乗り継いで名古屋駅に到着．このころには私の状態はほとんど手の施しようが無くなっていた．まずい，まずすぎる．しょうがなく，液キャベを購入，一気に飲み干す．不味い，不味すぎる．しかし，薬を飲んだからと言って状況が一機に好転するはずもなく，その後もやばい状態のまま電車を待つ．
「うぅぅーーー，そろそろ限界か？」
というところで電車が入線．何とか無事に列車に乗れました．朝から醜態をさらさずに済んだのはひとえに橋本のおかげである．多謝．
電車の中で一眠りし，やっと状態も良くなった．その後は問題なく過ぎ，集合時間の30分前には合流地点の京阪出町柳駅に到着．ん，予定通りである．しかし，出町柳駅は地下と地上の２ヶ所あったのだ．そーいえば，メールにそんなこと書いてあったっけ．
「どっちだっけ」
「さあ？」
何ともいい加減な我ら二人である．
ちなみに，某広域暴力団の若頭が射殺された直後だったので，そこら中に本物の「ぼーだんチョッキ」を着た警察官がうろうろしてた．京都とは物騒なところである（冗談です，はい）．
さて，
「やっぱ，地上か」
「いや，地下だ」
と，優柔不断な私のせいで何度か往復してると大洲氏がこちらに声をかけてくれ，何とか合流が始まる．その後，何人かが集まったものの，目印の「浴衣を着た人」はいっこうに現れる気配がない．しかも確認してみると全員初参加だった．うーん，どうしよう．
「もしかして，光画部時間なのだろうか？」
不吉な想像が脳裏を走る．とりあえず，地下の駅に確認にいってみる．ちょうど電車が着いたところか，改札が込み合っていて，その中になにやら怪しげな一団がいた．もしかしてこの人達か，と思ったのだが，何の迷いも見せず反対側に歩み去ってく．違うのかな？，ということで，仕方なく地上に戻ることにした．
協議の結果，緊急連絡先に電話をしてみることになった．本隊は送れているようだが，すでに先発隊は出たとのこと．どうやら，近辺の交番の前にいるらしい．ということで，そこらで警備してるお巡りさんに聞いて大洲氏が交番まで走っていった．待つこと数分（そんなに待ってないって），現れた人々はやはり先ほどの一団だった．うーん，直感は信じるべきである．
ということで，集合が完了．まずは最初の目的地，いざ京大である．
さて，移動してみてから気づいたこと．暑い．とにかく暑い．うわさには聞いていたが本当に暑かった，盆地の夏は．加藤氏の先導で炎天下を歩くこと約10分，京大に到着である．といっても，いわゆるキャンパスがあるわけではなく，かなり大きな道路を挟んでその両側が京大だったりする．建物も，ふるいのから新しいのまで選り取りみどり，瓦屋根の建物まであった（さすがに校舎じゃないようだが）．しかも，時折はいる解説がまた怖い．
「ここは一昨年燃えました」
「もえたって，燃えたの？」
「そうです．ここはこないだ燃えました．」
みたいな．．．京大にはいかれた人間が住んでいて，夜な夜な放火して回ってるのだろうか．ほとんど，ミステリーかホラーの世界だな，それは．さらに，怪しいところと云うリクエストで，寮を見に行く．怪しいというか，建築基準法に違反してないか，この建物．まあ，俺の部屋もにたようなものかも知れないが（状態は），ここに人間が住んでいるというだけでも，なかなかすごいぞ．そして，寮の前から他の場所に行くというので，移動を開始．しかし，そのコースがなんつーか，藪の中というか．．．こんなところを10何人かで移動する乗って俺らが怪しい奴らになってしまうぞ．しかも，コース間違ってるし．しょうがなく，元に戻って別コースをとり，移動．寮の話題が出るが，どーやら他の大学の寮も似たり寄ったりのようである．ちなみに，私が前いた大学の寮は鉄筋で，一応空調付き，なおかつ，衛星放送までみられるという優れものだった．当然，競争率は激しかったが．ついでに，砦研究会のビラを発見．ちなみに，とび職優遇だそうだ．何の研究をしてるのだが．皆の意見では砦の建て方の研究というのが大勢をしめたが，私としては，「大学紛争時における防衛・侵攻拠点としての砦の運用及び戦術」という線を押してみたい．
次についたのは理学部の建物．そう，形而上生物学第一研究室，別名，冬月ゼミのある建物である．なるほど，21話に出てきた建物だった．このころはまだ冬月は悪の道に入ってなかったんだよな．今のうちに．．．という話はおいておこう．
そろそろ体力の限界ということで，生協で一休みがてら食事しようということになったのだが，休みである．キャンパスが広いので他の食堂で，ということになったのだが，そっちも休みであった．なんてこった．しょうがなく外に出て食い物やを探す．小さな喫茶店を発見，全員は入れそうなのでそこで食事をとることにした．
ここで，長久氏以下，まだ到着していない本隊と合流した．長久氏は「修学旅行のしおり」の製本を済ませ，ちょっと説明をした後，そのまま自宅に帰って食事の準備である．ありがとうございます．さて，ここからは，大洲，山本両氏の先導で京都見物．コースとしては，哲学の小径，南禅寺を回ることとなる．ちなみに，高柳嬢をはじめ，数人が別行動となった．
哲学の小径，というからどんなものかと思えば，小さな川沿いに遊歩道があるだけである．小径の始点から20m程度で他の道と交差して，小径は途切れてしまった．これで終わりか！！，なんてことはなく，ちゃんと続いてたけどね．はなしてた話題は．．哲学じゃないない事だけは確かだな．小径の終点にはちゃんと石碑があって，「この道は．．．」なんてなことが書いてあった．よーするに逆から入ってしまったわけか．そこから南禅寺に向かう途中，抹茶ソフトクリームをみんなで食べる．さすが本場，おいしかった．ちなにみ，なんか怪しげなもの（石鹸だったような気がするが）をやたら進められた．誰も買わなかったけど．
南禅寺に到着，ひとまず休憩である．ここには明治の頃にできた琵琶湖と京都市内をつなぐ水道橋があった．ちなみに，私は浄水場等の一般家庭に通じる水があると，どうしても毒を流したくなる．きっと仮面ライダーか何かで，ショッカーがやろうとしたことを覚えているのだろう．やはり幼い頃の体験は大切らしい．
南禅寺の見学を終えてから再び市街地の方へ．道すがらインクラインを見学する．インクラインというものを知らなかったので，その言葉を聞いたとき「インク・ライン」と変なところで切れてしまった．漢字変換すると「墨汁線」とでもなるのだろうか．当然，
「どこがインクなんですか？」
などという，訳の分からない質問をしてしまうことになる．はずかしーー．
さて，京都見物も終わり，OFF会会場のJA秘密基地へと移動することになった．山本氏が車で来てたので車組とJR組に別れて移動する事になった．私はJRで移動だった．電車は京都市街を離れ一路，山城多賀へ．20分ほどで到着した．無人駅だった．久しぶりに見たぞ．さらに，目の前に広がるのは水田．なかなか，のんびりとした良いところである．
山城多賀駅周辺
（イメージ，photo by Yamamoto）
さて，徒歩15分程度でJA秘密基地に到着．これが本当にJAだったんだな．Jet Aloneではなく，Japan Agri（すなわち農協）の関係施設だったけど．
JA秘密基地
（Photo by Yamamoto)
到着時には，すでに長久氏が夕食の準備ははじめていた．平行して夜の上映会の資材の搬入が行われる．をを，プロジェクターではないか．すごい！
「どこから借りてきたんですか？」
と，搬入を行っていた西村氏に聞くと，
「僕のですよ．」
との答えが返ってきた．僕のって，私物ですか．買いに行ったとき変な顔されたっていってたけど，そりゃそうでしょう．ふつーいませんよ，個人で買う人なんて．やはり，強者はひと味違う．また，浴衣組が着替えてきた．をを，ネルフ印の浴衣か！！これが目印なら，一発で解るけど．．着たくないよな，ふつう．
Nerv 浴衣
（Photo by Yamamoto）
ほどなく夕食になった．メニューは焼き肉（をを！），なおかつ炭火（ぉぉぉ！！），酒は当然，「えびちゅ」である．しかし，こういう会の通例として，最初はみんなガシガシ食べるものの，そのうち，失速，墜落となる．うーん，その通りになった．一部で闇鍋ならぬ闇焼き肉といって危ない発言も聞かれたが，事なきを得る．
さて，おなかが満足したら，次は当然，上映会である．ふつうは違う？そんなものも，気にしたら負けである．場を建物内に移動して，まずは自己紹介．さすがに濃い人間が集まっただけあって，いろいろな話が聞ける．うーん，放送直後からホームページを立ち上げてる人たちは，やはり積み重ねた歴史が違う．本人同士が知らなくても，チャットでおじゃましたとか．誰のページを見て，それから誰のページを見てみたいな．
やはり，西村氏と林氏のTV Reportを見てこの世界に入ってきたという人間が多かった．かくいう私もその一人です．対して西村氏のコメント
「まるで，私が悪いみたいじゃないですか．」
そのとーりです（笑）．
あと，大阪の先行上映会であったあの事件とか．しかし，あの事件は完全に事実が映画を越えてしまった気がする．庵野監督もいっそ，あそこまでやればよかったのに．
宴会風景
（Photo by Yamamoto）
そして上映会である．内容は，EVA関係の自主制作映像から，SF大会で上映されたもの，そして，DAICON３，４，帰ってきたウルトラマンと多岐にわたった．みなさん，どこからああいうものを調達してくるのでしょうか．なかなか謎であった．特に笑えたのは，「MMR，人類補完計画編」とか，実写版のEVAだったろうか．
DAICONと「帰ってきた」は笑えるというよりも，私にとっては，「デカルチャーーー！！」ってなもんであった．とくに，「帰ってきた」を見たあとは，ミンメイの歌を聴いたブリタイの様な状態だった．きっとここで誰かが「庵野教に入ろうよ」とかいったら，間違いなく入信していたであろう．
既に結構いい気分になっていた私は，じつは，この話がどんな話だったのか，全く理解していなかったし，現在もほとんど，というか，全く記憶に残っていないのが事実である．しかし，あの映像を見ながら興奮していたのは事実だし，庵野氏が素顔でウルトラマンを演じているのを見てもちっともおかしくなかった．ことによると，庵野氏の最高傑作はこれではないかと思えるぐらいだった．まあそれは，いくら何でも失礼かも知れないが．ちなみに，一番印象に残っているのは，エンディングで庵野氏が笑っていたところだった．氏の最近の作品しか見ていない私にとっては，その作品像からあんなに幸せそうに笑えるひとだとは考えられないのだが．．．
私の記憶に最後に残っているのは「アイアンリーガー」だった．でも，サッカーやってるんだよな．なぜか．うーん，確か野球だと思ったんだけど．．．と，いいつつ眠りに落ちていった．
よくあさ，８月31日．それほど悪くない目覚めであった．朝食はスイカ，昨日の残りである．
そして，最後に記念撮影．みなさん，お疲れさまでした．
みんなで写真
(Photo by Hayashi)
帰りは，多賀まで林氏の車に同乗させてもらい，そこから先は西村氏の車に同乗させてもらった．電車とかかる時間は変わらないものの，やはり車のほうが楽でした．秦野中井で東名を降りて，二宮駅まで送ってもらい，そこでJRに乗り換え．つつがなく帰宅できました．
翌日にゼミがあったはずだが．．．何，問題ない．予定通りだ．寝よ．
結果は．．．．ご想像にお任せします．
最後に．ちょっと話足り無かったかも知れないが，それは次回にとっておけばいいこと．この次もサービス，サービスということで．長久氏とご家族のみなさま，準備ありがとうございました．西村氏と林氏，車に同乗させていただいて，ありがというございました．加藤氏，大洲氏，観光案内ご苦労様でした．などなど，みなさま，お疲れさまでした．
それでは，また逢いましょう．
なお，本文中の事実誤認等の問題はすべて私，岩崎の責任です．